事業等のリスク

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクとして、以下に掲げるものを選定しております。

また、その中でも特に経営への影響が大きく、企業活動の継続又は企業の持続的成長に重大な影響を与える可能性があるものを「1.重大なリスク」として記載し、それら以外のものを「2.その他リスク」として記載しております。

なお、文中の将来に関する記述は、2020年3月末現在において入手可能な情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況は様々な要因により影響を受ける可能性があります。

(最終更新:2020年6月19日)

1.重大なリスク

(1)市場環境

主要なリスクの内容

当社グループの幅広い事業領域を取り巻く市場環境に変化があった場合には、当社グループの事業活動に悪影響を与える場合があります。例えば、キャリア分野においては、当社グループは、ケアマネジャーや看護師等の有資格者を対象とした職業紹介サービスを提供しており、その中には、介護保険法や医療法等により、事業者が有資格者を一定数従事させることが義務付けられているものが含まれております。今後、介護保険法や医療法等が改正され、これらの規制が緩和されることにより、事業者による従事者の採用需要が低下する場合があります。また、職業安定法の改正等により、求人企業との間の手数料や返戻金に対する規制が追加されて、自由競争が阻害されることにより、当社グループが受領する手数料の金額が減少する場合があります。さらに、介護事業者分野においては、介護保険法の改正動向次第で当社グループや顧客である介護事業所の事業環境が大きく変わる場合があります。

これらの場合には、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があります。

主な取り組み

当社グループは、当社グループを取り巻く市場環境を注視すると共に、厚生労働省等の関連省庁や業界団体とも密接に連携しながら、介護保険法、医療法、職業安定法をはじめとする関連法令の動向等を捉え、それらを経営・事業の戦略に適時適切に反映しております。

(2)自然災害

主要なリスクの内容

自然災害や疾病の流行等の有事により、当社グループが人的・物的被害を受けたり、社会情勢が大きく変化したりした場合には、当社グループの全部又は一部のサービスについて、一定期間その提供が困難となる等、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があります。

主な取り組み

当社グループは、自然災害や疾病の流行等の有事を想定して、従業員の安全、事業継続、社会への責任という3つの観点から、BCP(事業継続計画)の基本方針を定め、有事においても可能な限り事業を継続できるよう努めております。

(3)事業開発・M&A

主要なリスクの内容

当社グループは、自社で行う新規事業の開発に加えて、M&A及び他社との業務提携を通じて、新規事業の開発・育成及び既存事業の拡大を推進しております。新規事業を開始するにあたっては、相応の先行投資を必要としたり、当該事業に固有のリスク要因が発生する場合があります。また、M&A及び他社との業務提携にあたっては、期待通りの効果を生まず戦略目的を達成できない場合や、実行後に未認識の債務やレピュテーションリスクが顕在化する場合があります。さらに、景気の後退や為替の著しい変動等によりM&Aで取得した企業の収益性が当初計画より著しく低下した場合には、減損損失の計上が必要となる場合があります。

これらの場合には、当社グループが戦略上意図した新規事業の開発・育成及び既存事業の拡大を実現することができず、当社グループの事業活動及び業績に悪影響を与える可能性があります。

主な取り組み

当社グループは、自社で行う新規事業の開発・育成並びにM&A及び他社との業務提携を実行するにあたって、当社グループのグループミッションの実現と長期的な企業価値の向上に貢献するかを慎重に判断し、必要に応じて外部専門家によるデューデリジェンス等を通して他社の企業価値、将来の収益性、リスクの分析を実施します。また、対象となった事業については、継続的なモニタリングを実施し、当初の計画との乖離が生じた場合には、速やかに原因分析と対応策の実施を行います。

(4)人材・組織

主要なリスクの内容

当社グループの事業領域である高齢社会に関連する市場は今後も拡大が見込まれ、膨大な事業機会が生まれると認識しております。当社グループのグループミッションを実現するためには、その機会をいち早く捉え様々なサービスを数多く生み出し続ける必要があり、社会からの要請を真摯に受け止め主体的に変化対応できる人材の採用及び育成が非常に重要です。また、当社グループの主力事業である国内のキャリア事業においては、事業者と求職者との間に介在して適切な情報を伝達する役割を果たすキャリアパートナーが多く必要です。しかしながら、日本国内での少子高齢化による労働人口減少、グローバルを含めた事業地域の拡大にともなう人材需要の増加、並びに必要スキルの変化及び高度化により、多様で有能な人材を、必要数採用、育成及び定着させることができない場合があります。

この場合には、事業を遂行する上で必要な人員を十分に確保できず、当社グループの事業活動に悪影響を与える場合があります。

主な取り組み

当社グループでは、当社グループの持続的成長に伴い、従業員に対して成長機会を継続的に提供し続けることが、競争環境が高まる採用市場における採用競争力の向上と人材の定着に寄与すると考えております。また、採用市場における競争力のある報酬制度、能力を適切に評価する考課制度、能力向上のための教育制度や魅力的なキャリアパスの整備等に取り組んでおります。

(5)情報セキュリティ

主要なリスクの内容

当社グループは、展開する各サービスの運営過程において、個人情報を含む顧客情報やその他の機密情報を取り扱っております。これらの情報は、当社グループ又は業務委託先の従業員及び関係者の故意・過失、悪意を持った第三者の攻撃、その他想定外の事態の発生により、漏えい、破壊又は改ざんされる場合があります。

この場合には、当社グループの社会的信用が失墜し、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があります。

主な取り組み

当社グループは、取り扱う顧客情報等の漏洩、破壊及び改ざんを防止するため、経営を中心とした情報セキュリティマネジメント体制の下、定期的な会議体にて、全社的な情報セキュリティのモニタリング、インシデントの対応、抜本対策の検討・実施に取り組んでおります。具体的には、内部不正に対する情報の可視化、情報へのアクセス制限・管理、悪意ある攻撃等不正アクセスへの対応、データ保護等の内部管理体制の強化に継続して取り組んでおります。

(6)システム障害

主要なリスクの内容

当社グループは、主なサービス提供手段として、当社グループ又は業務提携先が提供するウェブサイトや業務システムを利用しております。自然災害や事故、誤作動や障害、当社グループ若しくは提携先の従業員若しくは関係者の操作過誤又は不正アクセスによる破壊若しくは改ざん等により、ウェブサイトや業務システムが正常に稼働できなかったときには、提供するサービスの全部又は一部が停止したり、その品質が低下したりする場合があります。

この場合には、当社グループのサービスの全部又は一部の提供が困難になることに加えて、当社グループの社会的信用が失墜し、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があります。

主な取り組み

当社グループは、サービスの信頼性及び取引の安全性の観点から、当社グループの事業用ITインフラについて高可用性、耐障害性を備えた設計としております。また、重要なデータを取り扱うサービスにおいては、十分なセキュリティ対策を施した上で、クラウド化を実施する等、有事の際にもサービスを提供できるよう対処しております。さらに、システム開発及びシステム運用経験の豊富な人材を採用すると共に、システムに関する従業員向け教育を積極的に実施する等、体制面での強化も継続して取り組んでおります。

(7)許認可

主要なリスクの内容

当社グループの主要な事業である職業紹介事業の遂行には有料職業紹介の許可が必要であり、当社グループは、有料職業紹介事業者として、厚生労働大臣の許可を受けております。何らかの理由により、当該許可が取り消されたり、業務停止となった場合には、当社グループによる職業紹介事業の遂行が困難となり、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があります。

なお、当該許可の取消事由及び業務停止事由は職業安定法第32条の9に定められておりますが、2020年3月末現在において当社グループが認識している限りでは、当社グループにはこれらの事由に該当する事実はありません。また、当社グループが保有している主な有料職業紹介事業許可の許可番号及びその取得年月等は以下のとおりです。

所轄官庁等 取得者名 許可番号 取得年月 有効期限
厚生労働省 株式会社エス・エム・エス 13-ユ-190019 2003年7月1日 2021年6月30日
厚生労働省 株式会社エス・エム・エスキャリア 13-ユ-306922 2015年1月5日 2023年1月4日

主な取り組み

当社グループは、厚生労働省等の関連省庁や業界団体とも密接に連携しながら、職業安定法等の動向をいち早く把握すると共に、職業安定法等の法令を遵守すべく、必要な規程及びガイドラインの制定や各種研修を通して、役職員に対してその周知、徹底を図り、継続的にコンプライアンス体制の強化に取り組んでおります。

2.その他リスク

(1)技術革新

主要なリスクの内容

当社グループは、価値提供先である従事者・事業者・エンドユーザに情報をコアとした様々なサービスを提供しております。しかしながら、当社グループの想定しない新しい技術の普及等により技術環境が急激に変化し当社グループの技術が陳腐化する場合があります。

この場合には、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があります。

主な取り組み

当社グループは、当社グループが保有する技術が陳腐化することがないように、ビッグデータの解析やAIの活用等の先端的な技術を導入する体制を構築し、継続した技術向上を図ると共に、それらを当社グループの事業に導入できるよう取り組みを進めております。

(2)競合

主要なリスクの内容

当社グループは、介護、医療、ヘルスケア、シニアライフを高齢社会における事業領域として定義しております。これらの市場は年々拡大しており、当社グループにとって膨大な事業機会が生まれるものと認識しております。

一方で、このような魅力的な市場に対して、新規の参入者が増加し、競争環境が激化した場合には、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があります。

主な取り組み

当社グループは、高齢社会に関連する市場において圧倒的な地位を確立しております。特に介護、医療領域の人材関連ビジネスにおいては、パイオニアとして市場を創造し、従事者及び事業者の充実した顧客基盤を構築しております。そして、高齢社会全体を当社グループの事業領域として捉えて、充実した顧客基盤をサービス横断で活用することにより、競合他社に対して十分な競争優位性を実現しております。

(3)カントリーリスク

主要なリスクの内容

当社グループは、海外、特に人口の増加や経済発展により医療・ヘルスケア分野のニーズが急拡大しているアジア・オセアニアを重点地域と位置付け、多くの国と地域でサービスを提供しております。このような海外での事業展開においては、世界経済全体の動向に加え、各国固有の政治、経済、社会、法律、自然等の要素が、各国事業に影響を与える場合があります。具体的なリスクとしては、政情不安、経済危機、規制強化、自然災害、疾病の流行等が想定されます。

これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があります。

主な取り組み

当社グループは、シンガポールに海外事業の統括拠点を置き、日本本社から当該統括拠点に経営人材や経営管理人材を派遣し、当該統括拠点の下で各海外拠点にも同様の人材を配置しており、日本本社、統括拠点及び各海外拠点が適切な連携を取るための体制を構築しております。このような体制を通じて、世界経済全体の動向に加え、各国固有の政治、経済、社会、法律、自然等に関する情報を収集し、必要な対策を実施しております。

(4)情報発信

主要なリスクの内容

当社グループは、インターネット等を通じて、介護、医療、ヘルスケア、シニアライフといった事業領域において様々な情報発信を行っております。

これらの発信物について、その内容の適法性、正確性又は妥当性について社会的批判を受けた場合には、当社グループの社会的信用が失墜し、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があります。

主な取り組み

当社グループは、様々な情報発信を行う上で、その内容の適法性、正確性及び妥当性について、顧問法律事務所の助言や専門家による監修等、社内外で慎重に確認するための体制を構築しております。

(5)法令

主要なリスクの内容

当社グループは、国内外の幅広い領域で事業を展開しております。今後、事業の急速な拡大等により、十分なコンプライアンス体制の構築が追い付かず、法令違反等が生じる場合があります。

この場合には、当社グループの社会的信用が失墜し、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があります。

主な取り組み

当社グループは、国内外の幅広い領域で事業を展開していく上で、各国の社会規範や法令その他諸規則を遵守すべく、必要な規程及びガイドラインの制定や各種研修を通して、役職員に対してその周知、徹底を図り、継続的にコンプライアンス体制の強化に取り組んでおります。当該規程及びガイドラインや研修のテーマには、個人情報保護法や職業安定法といった当社グループの事業に関連の深い法令の遵守や、反社会的勢力との関係遮断、不正行為の防止等が含まれております。

(6)訴訟

主要なリスクの内容

当社グループに対して、社会的影響や訴額の大きい訴訟等が提起され、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの社会的信用が失墜したり、当社グループが多額の賠償金の支払義務を負ったりすることにより、当社グループの事業活動及び業績に悪影響を与える可能性があります。

なお、2020年3月末現在において、当社グループに重要な影響を与える訴訟等は提起されておらず、その恐れも認識しておりません。

主な取り組み

当社グループは、社会の要請や法令その他諸規則を遵守した上で適切に事業が展開されるようコンプライアンス体制の強化に取り組むことで、不当な紛争に巻き込まれることがないよう努めております。また、万が一訴訟が提起された場合に備え、グローバルで重要な訴訟の提起や状況に関する報告が迅速かつ確実になされる仕組みを構築すると共に、各国の関係会社の担当者及び弁護士事務所等と連携し、訴訟等に対応する体制を整備しております。

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