メディカルプラットフォーム

-メディカルプラットフォーム事業領域が挑む社会課題

アジアパシフィック地域は相対的に医薬品・医療機器等の普及が遅く、医療の質が十分ではない

アジアパシフィック(”APAC”)各国は医療制度や各種規制、言語、文化、慣習が異なり、中国・インド・日本などの一部の国を除いて小規模市場であるため、製薬会社などの医療関連事業者等がそれぞれの国に参入するハードルが高い状況です。結果として、世界的に見ても医薬品・医療機器等の普及が遅く、医療の質が十分ではないという社会課題に直面しています。

例えば、GDPに対する医療費支出の割合では、アメリカ合衆国、イギリス、日本などが10%以上であるのに対して、東南アジアのほぼすべての国および中国・インドが6%以下という低水準に留まっています。また、平均寿命に関しては、日本が世界トップで84歳であるのに対して、マレーシア、ベトナム、インドネシア、インド、フィリピン、ミャンマーはいずれも75歳以下で大きな差があります。

特に医薬品業界においては、新薬の開発は非常に高度な技術が必要とされるため創薬できる国は世界でもわずかです。アメリカ合衆国、ヨーロッパ諸国、日本が新薬開発の大半を占めており、その他のAPAC各国を本社とする製薬会社はジェネリック薬の開発のみに特化しています。APAC各国の医療の質を向上させるためには、これらの新薬開発企業からジェネリック薬企業まで幅広く世界中の製薬会社の活動を支援しながら、医薬品をAPAC各国に迅速に普及させることが重要です。

また、医薬品・医療機器等の普及は患者の安全性を担保した形でなされることが求められますが、APACの一部地域では医療の安全性にまだ向上の余地があります。例えば、医薬品を患者に処方する際、医師や薬剤師は複数の医薬品の飲み合わせに問題がないか確認したり、患者が持つ特定のアレルギーに対して処方可能な医薬品を確認するなど様々なチェック事項が存在します。本来、医薬品のデータベースを都度参照したり、電子カルテシステムに統合することで、処方内容に問題がないか確認を行う必要がありますが、APAC各国では網羅的な確認を行っている医療機関は限定されています。また、東南アジアの一部の国では最新の医療情報が不足しているため、医療従事者が医療の安全性を高めるための知識や技能を十分に習得することが容易ではありません。




私たちは、このようなAPACの社会課題を、次に掲げるミッションの実現を通じて解決したいと考えています。

-メディカルプラットフォーム事業領域のミッション

APACにおける医療の普及と安全性向上を促進し、人々の健康的で質の高い生活の実現に貢献する

-ミッション実現への戦略

メディカルプラットフォームの構築

メディカルプラットフォーム事業領域では、医療関連事業者等※1と医療従事者※2をつなぐAPAC各国に最適化されたメディカルプラットフォームを提供しています。全世界の医療関連事業者等に寄り添って、価値のある情報を、ローカライズして届けることによって会員基盤を拡大し活性化すると同時に、APAC各国で医療従事者の会員基盤を活かして医療関連事業者等のマーケティング活動に貢献しています。

例えば、医療関連事業者等の新製品のプロモーションや疾患啓発のための医学的なコンテンツを作成したり、医薬品の添付文書を要約してAPAC各国で政府に承認された内容を本やオンライン上で提供しています。医薬品は国によって名称が異なる場合もあり、承認された適応などにも差があるため、各国にローカライズした情報を医療従事者に提供しています。また、医薬品の添付文書情報に加えて、医薬品間の飲み合わせやアレルギーチェックなど数多くの検証ロジックデータを病院やクリニック、薬局等の情報システムに統合する形で提供しています。

加えて、医薬品・医療機器等や病気・診断・治療に関する教育的なコンテンツを記事や動画などの形で提供し、医療従事者の専門スキル取得に貢献する取り組みにも力を入れています。

これらの情報を紙・リアル・デジタルのマルチチャネルで提供することによって、メディカルプラットフォーム上で医療従事者の会員基盤を拡大・活性化させ、幅広い医療従事者へのリーチを活かして医療関連事業者等のより効果的かつ効率的なマーケティング活動を支援しています。


  • ※1:医療関連事業者等とは、製薬会社、医療機器メーカー、ヘルスケア商品メーカー、それらの卸売企業、さらに業界団体(医師会や学会など)や政府機関を含む
  • ※2:医療従事者とは、医師・歯科医・薬剤師・看護師などを指し、キーオピニオンリーダーや学生も含む

医療関連事業者等の数の拡大と医療従事者の会員基盤強化で提供価値を最大化

メディカルプラットフォーム事業領域のミッションである「APACにおける医療の普及と安全性向上の促進」を実現するには、メディカルプラットフォームを通じてより多くの医療関連事業者等と医療従事者に価値提供していくことが必要になります。

私たちが医療従事者に価値のある情報を提供する上では、一次情報を発信する世界中の医療関連事業者等が持っている医薬品・医療機器等やそれにまつわる情報、また、マーケティングやメディカルコミュニケーションに関する課題を詳しく把握することが欠かせません。このため、私たちは複数の国を横断して医療関連事業者等の課題解決につながるサービスを提供しながら、提供先を製薬会社から医療機器メーカー、ヘルスケア商品メーカー、政府機関や業界団体などより幅広い業種・業態に拡張していくとともに(1)、各業種・業態における利用顧客数を拡大していきます(2)。

また、APAC各国の医療従事者に提供するローカライズした情報の幅を広げ、質・量を高めることで(3)、プラットフォームにおける医療従事者の会員基盤を拡大・活性化していきます(4)。これにより、さらに効果的に医療関連事業者等のマーケティング課題を解決することができるようになります。そして、蓄積した医療従事者や医薬品・医療機器等、患者に関するデータを分析・活用し(5)、新たなサービスの開発と既存サービスの改善につなげることでメディカルプラットフォームの提供価値を最大化していきます。

 

-メディカルプラットフォーム事業領域が目指す未来

人々のより良い暮らしの実現

私たちはメディカルプラットフォーム事業領域のミッションを実現することで、「APACでは医薬品・医療機器等の普及が遅く、医療の質が十分ではない」という社会課題の解決に貢献していきます。

私たちが提供するメディカルプラットフォームを通じて、医療関連事業者等は患者の安全性を担保した形で医薬品・医療機器等をAPAC各国に普及・浸透させることができます。また、医療従事者は良質な医薬品・医療機器等の存在を数多く知ることで幅広い治療の選択肢を持つことができます。さらに、医薬品・医療機器等やそれに付随する疾患・治療に関する専門知識・スキルを向上させ、正しく医薬品や医療機器等を処方・利用することができます。これらを通じて結果として、質の高い医療を提供することが可能となります。

専門性の高い医療従事者を介した医療の普及と安全性向上を通じて、エンドユーザである患者は質の高い医療サービスを享受することができ、安心して暮らせるようになります。

このように、私たちは、APACにおける医療の普及と安全性向上の促進に貢献することにより、人々の生活の質の向上を実現していきます。

 

提供するサービス

医療従事者向け医療情報

アジア・オセアニア地域で医療・ヘルスケア関連事業者のマーケティング活動支援、医薬品辞典サービスなどを展開。圧倒的な知名度と医療従事者会員基盤を強みとしています。

キャリア

医療・介護従事者の不足と偏在の解消に挑む

介護事業者

介護事業者の経営改善とサービス品質の向上に貢献する

ヘルスケア

生活習慣病やメンタルヘルス不調の予防・改善を図る

シニアライフ

高齢社会の生活にまつわる良質な選択肢を提供する

海外

メディカルプラットフォーム事業とグローバルキャリア事業にて社会課題の解決に挑む